記事番号: 1-5332
公開日 2026年01月22日
更新日 2026年01月22日
甲州市には国宝の大善寺本堂をはじめ310件の文化財が所在しています。国指定の文化財が29件あり、うち国宝が3件、重要文化財が22件、記念物が4件指定されています。また、重要伝統的建造物群保存地区に1地区が選定され、登録有形文化財が40件、登録有形民俗文化財が1件登録されています。
さらに記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財が2件、山梨県指定の文化財が82件、甲州市指定文化財が155件で、山梨県下随一の指定件数を誇ります。(令和7年4月1日時点)
市内各地で多彩な民俗芸能が受け継がれています。
大善寺の藤切り祭
文化財指定名:柏尾の藤切祭(県指定無形民俗文化財)
文化財指定名:大善寺の藤切り祭(国記録選択無形民俗文化財(記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財))
大善寺の藤切り祭は、甲州市勝沼町勝沼に所在する柏尾山大善寺の会式で、古くは毎年旧暦4月14日に行っていましたが、現在は5月5日に執行されています。「柏尾のお薬師さん」の名で親しまれ、関東一円の奇祭の一つともいわれます。高さ三間半の御神木に藤づる(ここでいう「藤づる」とは、藤の根のこと。)のタガを巻きつけて、御神木の頂部に七巻半の藤づるでつくった大蛇を下げます。県下の法印・導師が集まり、この大蛇のつるを切り落とし、群衆がそれをお守りとして奪い合う勇壮な祭りです。
その由緒は、約1300年前に修験道の開祖・役小角(役行者)が金峰山で大蛇を退治し、土民の災厄を救った故事にならい始まったものといわれています。
令和6年(2024)から藤づる(藤の根)の奪い合いは行わず、総代が希望者に切り分けて授与しています。

関連ページ
・柏尾大善寺の藤切り祭について(令和7年度)
・柏尾大善寺の藤切り祭について(令和6年度)
・大善寺の藤切り祭について(令和3年度)
・柏尾大善寺の藤切り祭について(平成31年・令和元年度)
一之瀬高橋の春駒
文化財指定名:一之瀬高橋の春駒(県指定無形民俗文化財/国記録選択無形民俗文化財)
一之瀬高橋の春駒は、甲州市の北部に位置する一之瀬高橋地区に伝わる小正月の行事で、笛・太鼓・鉦によるお囃子と歌に合わせた駒踊りで構成されます。道祖神場や各戸を巡って踊り、結婚や子供の誕生、新築があった家には「水祝儀」や「弁慶」という特別なお祝いが仕立てられます。
過疎化により、永く演じられずにいましたが、平成20年(2008)に保存会を再編、以後様々なイベントでの積極的な披露と後継者育成に力を注いでいます。平成21年(2009)の小正月からは、保存会の要望により、旧高野家住宅(甘草屋敷)で披露するようになりました。

田野十二神楽
文化財指定名:田野十二神楽(県指定無形民俗文化財)
田野十二神楽は、甲州市大和町田野地区に伝わる民俗芸能で、明暦2年(1656)頃、当時流行していた伊勢参りができない人のために、伊勢の国から移したものといわれています。伝説では、天照大神が岩戸に隠れたとき祈祷に舞った神楽とも伝えられています。
山梨県内唯一の「伊勢流」で、湯立てによる祓い清めの神事を行います。まず獅子が清めの舞を舞い、その名の通り、12の舞が次々に展開しますが、途中の舞の中にも獅子が入って共に舞う、独特の趣を持った神楽です。
「十二神楽」という呼び名は、神楽の舞が十二段(獅子舞・幣束の舞・汐汲みの舞・菱組の舞・剣の舞・姫の舞・鬼の舞・鍾馗の舞・介者の舞・種蒔の舞・笹の舞・翁の舞)で構成されているところから名づけられました。

藤木道祖神祭太鼓乗り
文化財指定名:藤木道祖神祭太鼓乗り(市指定無形民俗文化財)
藤木道祖神祭太鼓乗りは、甲州市塩山藤木地区の道祖神祭の行事として行なわれるものです。かつては上藤木・下藤木・西藤木でそれぞれの組に分かれ、互いの道祖神場にお年始する「往来(ゆきき)」という慣わしがあり、その訪問先での余興として行われたのが「太鼓乗り」です。大太鼓に乗った役者が太鼓や鉦に合わせて、歌舞伎の名場面の掛け合いや、地域の出来事をおもしろおかしく芝居仕立てにした「チャリ狂言」を演じて見せたのが、太鼓乗りの原形と見られます。
現在はチャリ狂言を行っていませんが、3基の大太鼓が高橋山放光寺に集まり、燃え上がるどんど焼きの炎を挟んで、向かい合った大太鼓の上の役者によって忠臣蔵、太閤記、熊谷陣屋、赤穂浪士などの歌舞伎の名場面が掛け合いで演じられ、勇壮なものとなっています。
小正月行事のどんど焼きの炎に映し出された大鼓乗りの妙技は、素朴な中にも豪快さにあふれた民俗芸能です。

熊野神社御幸行列
文化財指定名:熊野神社御幸行列(市指定無形民俗文化財)
熊野神社御幸行列は、甲州市塩山熊野に所在する熊野神社の例大祭で行われ、「やっこらさん」の名で親しまれています。熊野神社は、甲州市塩山の熊野・西広門田・西野原と甲州市勝沼町山の4地区の産土神です。
熊野神社の「御幸行列」には、「打ちばやし」という古式を伝える笛や太鼓が奉納され、御幸行列の最後には奴(やっこ)とそれに従う小奴(こやっこ)が練り歩きます。大名行列を模したこの風流踊の行列は、奴が「コイコイ」と掛け声をすると、小奴がそれに応えて「ヤッコラコラコラ」と練り歩く踊りを繰り返す、息の合った動きが見物です。
小奴の身体には、「ホウコウジ(這子児)」と呼ばれる縁起猿である猿人形が大量に縫い付けられていますが、この人形は「はいはいをする子」の意味を持ち、安産の神様であるといわれています。
見物人は小奴からホウコウジをむしり取ろうとし、小奴の方も取られまいと見物人ともみ合うため、見物人も祭りの一員として参加して盛り上がることができます。

その他小正月行事(未指定)
道祖神祭りのどんど焼きは、1年の厄除けと豊作を祈り、各家の門松や注連飾りを集めて、道祖神の前や広場などにオコヤ、オチョーヤ(小屋)、ヤグラ(櫓)を作り、1月14日に燃やす、全国各地で広く行われる風習です。
どんど焼きのオコヤは地域によって形や呼び名は様々です。また、オコヤの材料・形も地域ごとで異なり、独特な文化が受け継がれています。
・甲州市内各地で小正月行事が行われました(令和8年)
・上条集落でオコヤかけ・どんど焼きが行われました(令和4年)
・山梨大学による勝沼地域の小正月行事の調査が行われました(平成30年)
・上条集落でどんど焼きと第17回集落見学会が行われました(平成29年)
関連ページ
・一之瀬高橋の春駒保存会 第36回「民俗芸能と農村生活を考える会」に出演します(令和8年)
・市内各地で小正月行事が行われました(令和8年)
・藤木道祖神祭太鼓乗りが実施されました(令和8年)
・甲州市の小正月行事のお知らせ(令和8年)
・甲州市の小正月行事(令和7年)
・甲州市の小正月行事のお知らせ(令和6年)
・甲州市の小正月行事のお知らせ(令和5年)
・小正月行事「田野十二神楽(県指定無形民俗文化財)」が行われました(令和4年)
・市内各地で小正月行事が行われました(平成31年)
