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ステップアップ移住のススメ。

定住型 起業

甲州市を知ったきっかけを教えてください。

ワインをよく飲みに来ておりまして・・・

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甲州市を知ったきっかけは、高校の時の部活(ラグビー部)に甲州市勝沼出身の先輩がいまして、その先輩から話しを聞いていたことと、何と偶然にも恩師も甲州市塩山出身だったので前々から甲州市のことは知っていたんです。

私はもともとワインが好きで、ワインを飲みに甲州市勝沼にある「ぶどうの丘」という施設に来たんです。それからハマりまして、毎年のようにワインを飲みに来ていました(笑)。それとね、もともと甲州市という場所が好きだったということもありますが、ちょうどその頃ですが、私は、社会起業家を主に育成する塾に入塾していまして、その仲間たちと社会活動を行おうという話になり、まあいわば塾での実践なんですが、新宿からバスをチャーターしてecoコンを開催するようになったんです。

どんなecoコンかというと、都内から来てもらって間伐等を行いながらコミュニケーションを深めていこう!というものでした。この体験を通じて、うまくいったこと、いかなかったことなどを反省しているうちに、真剣に地域おこし協力隊の活動をやってみようと思ったんです。自分が生きていく道としてやるのであれば、移住して地に足をつけて活動しようと、甲州市に移住してきました。

実際に住んでみていかがですか?

都会でスーツ着てた私ですが・・・

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きっかけとも重複しますが、私は都内で金融系ベンチャーのサラリーマンとして勤務していました。金融系の仕事をしていたこともあり、為替関連情報を肌で感じる中で世界経済の中枢を体感してきました。これからの経済状況を鑑みるに、現在の都市一極集中型社会に対する将来性に対して危惧する部分もありました。

もちろん、都会は便利でいいと思いますが、やはり人間の基本となる衣食住という視点で考えると、地方しかない!と思いましたね。
そういう意味で、実際住んでみるとどうかと問われると、やはり衣食住がまったく異なります。
衣でいうと、スーツでパリッとキメていたビジネスマン時代とは異なり、こんな感じの格好です(笑)。買い物をするにも安価に手に入り、とても満足しています。

そして、食。これが一番大きのではないかと思っています。私たちの根幹を成す食べ物に関しては、とても重要で、米は1年分自分で作ったものを食べています。家のそばで、妻が畑を借りていまして、自分たちが食べる分くらいの野菜を育てています。自分で作れないものは、他の野菜を作っている方と交換したりしています。
都内にいた頃には、かなり良い物も食べてたりしましたが、やはり自然の豊かさに勝るものは「ない」なと感じていますね。それにやっぱり「水」です!水はすべての基本で、水がサイコーにうまい!これにつきます。食卓は作ったものや頂いたもので全て揃うんです。この感覚は都会ではまったく味わうことができなかったもので、高給を頂いていた都内にいたときよりも「豊かさ」を肌で感じ続けることが出来ていて、とても幸せです。

住むところについても大変満足しています。甲州市に来た直後は、団地に住んでいたのですが、ひょんなことから1軒家を紹介していただいて、現在はそこに住んでいます。とにかく広くて都内ではまずこのサイズの家には住めないでしょう。恐らく都心部でいうと、築15年、駅から徒歩10分の1Kと同じくらいかな?と思います。今の私の家は8LDKに倉庫や駐車場数十台分、そして庭がついていますので、贅沢すぎと感じています。景色と空気がやはり何よりの豊かさを感じますね。

田舎は近所付き合いとか大変ですよね?

そりゃ、大変...と思いきや、大変じゃないんです。全然。

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最初は理解してもらえなかったですね。あいつはどんな人だ?みたいなことも言われました。でも、これって、新しく会社に入ったときとか、習い事の仲間に入るときとか、全部同じだと思うんです。私も最初は、正直帰ってしまおうかと思ったこともありましたが、そういった中でも理解をしてくれる人も出来てきました。人間関係ってそうやって構築できるんじゃないかなあって思っています。

一番つらいのは、何にも関心を持ってもらえないことだなと思ってるんです。だから、プラスでもマイナスでも興味をもってもらっていることは良い兆しだなと感じていました。
だから、何をするにせよ自分から発信して人間関係を構築していく努力ができればいいと思います!

移住を考えている方にアドバイスを!

ステップアップするという目的を持つとよいと思いますよ。

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もちろん、勤め先の算段がついていて、空気がキレイで水が美味いし、子育てしやすいから甲州市に移住するという人もいるともいます。本当にそうでしょうしね!それはそれでよいと思うのですが、僕の場合はステップアップのために、移住という選択肢もおすすめです。
つまり、地域資源を活かして起業するとか、就農するとか、何かしらの目的を持ってスキルアップのための移住ですね。僕がこのパターンだったので、そういう方へのアドバイスなら及ばずながら可能かと。。。
人生のステップアップのための移住は、仕事はもちろん、人間関係やライフスタイルの構築をしていく必要がある。ステップアップをする訳ですから、当然前の生活よりも厳しくなる。未経験の体験だらけでしょうしね!辛くても、苦しくてもその体験によって得られる対価というものは都会にいたときとは比べ物にならないくらい大きいものになると思います。

あと、何事においても「素直になることが重要」ですね。
うまいもんはうまい。まずいものはまずい、感謝する出来事があった、ありがとう。と当たり前のことをやりにくいという世の中になっているんじゃないかなと思います。でもそういった当たり前のことがとても大事だと思うし、田舎ではプライドも何もいらないのだから、素直になることが大事だと思いますね。都会で蓄えたものをいい意味で、削ぎ落とし捨てていくという覚悟も必要かと。

移住者は、地域の方(自治体や地域の方々)たちが支援してくれる部分もあると思います。それをきっかけに情報等も収集して何かを始めることだって出来ます。一度来ていただければいろんな方を紹介することが出来ますよ!でも、だからといって変に地域貢献ばかり考えるのではなく、もっとも重要なのはやっぱり「自分自身で、この地でどうやって生きて、どうやって成長していくか?」を考えることだと思いますよ。なので、やはり何度か足を運んで情報を収集しておくことも大切かな、と思います。

なぜ、鹿肉を使ったペットフードの生産・販売を行っているんですか?

最初は農業だったんですよ!でもね。。。

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地域おこし協力隊として、農業関係の仕事をしているうちに、鳥獣による被害の現実を知りました。大事に育てた野菜や果実などを収穫直前で動物たちに食べられてしまうという現実を見てきました。農家の人たちが大切に手塩にかけ育てた野菜や果物が悲惨なことになってたんです。

何とか出来ないものかと思い、鳥獣対策を行っている猟友会の方たちと出会いました。猟に同行させてもらったり、猟師の人たちと触れ合う中で、猟師の仕事は、本当はとても大変だと思いました。本当に大変な仕事の割に、コストが合わなかったり。なのにその大変さを口にだすことなく一生懸命にやっているおっちゃんたちの姿に男気を感じましたね。いわゆる男惚れってやつです。猟をしたあとは、獣害をもたらしている鹿などの処分があります。この処分費用は猟師持ちです。しかし、これではコストが合わない...。そこで私は、どうにか何とかできないものかなあ?かと考えに考えた結果、その鹿を譲り受け、乾燥させジャーキーに。それをペットフード用として加工・販売をするというビジネスにたどり着きました。これにより、猟師の人たちの処分コストも浮きます。もう少し流通が増えてきたら、買い取りも行なうことができるようになるので、そうなると猟師さんたちも安心して狩猟をすることができ、地域に好循環が生まれます。
これは近い将来の夢ですね!!

今後の展望について教えてください。

ますます広がるマーケットに期待!

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ペットフード自体も市場の拡大に伴い大きく需要があることを感じています。お陰様で反響いただいており、生産が間に合っていない状態なので、1年以内には工場を拡大させ、生産量を増やしていけるようにしたいと考えています。
また、現在はペットフードのみですが、今後はワンちゃん用デンタルケアの商品を鹿革から作っていきたいと思っています。これも既にお声がけ頂いてまして、試作品等は本当に好評なので、今後は生産体制を強化して、いち早い製品化を行っていきたいと思っています。

この、鹿肉をジャーキーにしたペットフードはヘルシーでペットの健康にも最適。そして、どうやらワンちゃんの、文字どおり「食いつき」がよいようで、猟師さんたちも、飼い主さんたちも皆さん喜んでくれるので、もっと生産体制を充実させ安定した供給ができるようにしたいと思います。同時に、工場を増床すれば人手も必要となってきますので、雇用貢献という意味で大変意義を感じており、早く実現させよう!と、日々奮闘しています!

プロフィール

樋山さん

移住前:東京都(出身:北海道)
移住エリア:塩山

地域おこし協力隊一期として甲州市へ移住。3年間の活動後、鹿肉を使ったペットフードを生産するSatoYama Style合同会社「ワンさまニャンさま」を経営されています。

移住者インタビュー


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